シリーズ化する NHK MUSIC SPECIAL
いろいろなアーティストをドキュメントタッチで追う番組なんですが、
本当は特に好きなアーティストじゃなくても毎週見る方ががいい番組なのかもしれない。
1か月ほど前にバウくん(Vaundy)
の密着があったので「どんな感じの人なのかな」ということで見て見たら
音楽家として芸術家としてとても好印象だった。
番組の構成としてもメリハリがあってすごくよかった。
バウくんをはじめてみたのは確か2022年末の紅白だったと思う。
いろいろな若手アーティストが出演する中「この人、いい音楽性だなぁ。あれ?なんか既視感なビジュアルだぞ。 あっ、大昔の鶴瓶師匠だ」と勝手に大爆笑していたのだ。
話を本題に戻そう。
今回 NHK MUSIC SPECIAL 藤井風 くん「登れ!世界へ」なのだが
「世界へシリーズ化?」で2021年,2022年そして今回3回目の2024年。
彼がYouTuber時代から動画を見ていた方も多くいらっしゃるだろうし、
デビューしてから何らかのキッカケで彼を知りファンになった方も多いのではないだろうか?
というのもファンの年齢層が幅広く、男女比率もざっと6:4くらいの比率?
女性はなぜか40代以上の中高年が多く男性は風くんと同世代の20代の男性が多い印象。
そして音楽の雰囲気がそうさせるのか以外にもアラフィフ以降の男性ファンが結構いらっしゃる。
予告で番組の一部を切り取ったVや直前にはXなどでカメラマンが撮影した写真が流れてきて狂喜乱舞し本当に楽しみにしていた。
というのは2か月前の8月25日に「日産スタジアム」のライブを見てなぜか私は中学1,2年の頃はじめてライブを見た時の感動と同じくらいのワクワク感を終わった後もずっと引きずっていたからだ。
時系列が前後してしまうがこの「日産ライブ」の話を書く前にこの番組を見て感じたことを率直に書こうと思います。
ファン目線というより業界目線でシリアスで辛口になると思います。
■番組から受けたもの■
番組制作ってドキュメントスタイルでも何かしら視聴者に夢を与える、というか
「こんな風になりたい」とか「コンサートに行ってみたい」と思わせるような、次につなげる示唆に富むものがほとんどだと思っている。
例えばこの回の前回の「竹内まりや」さんの同番組がそうだった。
まず番組を見はじめて序盤かな?中盤かな?
昨年の4月あたりから感じていたものがズバリ100%的中しました。
あ、これはディスっているのではありませんので。
そして私はわけのわからなくなったこじらせファンでもありません。
それだけは最初に言っておきますから。
LAで音楽制作中。 そのプロセスをスタッフなしの定点かめらで密着。
カメラマンやスタッフがそばにいれば意識して見せる、いや魅せるじゃないですか?
アーティストやタレント芸能人は誰だって。
それがまんまなのであるのよ。
普段のまま。
私も毎日PCに向かって何かを書いている時や楽器に向かってる時正にあのまんまですのん。
「同じじゃん」と思ってしまった。
そして息詰まる。
気分転換に散歩に出かけるというより楽しいネットサーフィンをしてしまう。
ヘアメイクさんにセットしてもらったであろうインタビューで話している本音。
「日産スタジアムの前に本当は3rdアルバムが出ていてそれのお披露目コンサートになるはずだった」
申し訳ないが爆笑してしまった。
思えばホールツアー、アリーナツアーのBlu-rayのドキュメントで新曲graceの制作がホールツアーと並行して行われていた時も相応に悩んでいて「降りてこない、ペンが進まない」と言いあげくには社長であるマネージャーまでが本当のことを漏らす。
「曲のstockが一個もないのよ」
は? マジ?
枯渇商法でわざと言ってるの? ともあまり感じなかった。
普通は出来上がっていなくても何となく制作段階の曲が何曲かあるはずなんだが。
ミュージシャンっていうのは。
で、思うのは悩む、時間がかかるのはとってもわかる。
するする降りてくる時もあればそうでない時もあるさ、人間だもの。
でも2年だよ。
アマチュアの人だってそれなりに曲のstockはあるはずよ。
1年のうち半分はツアーに出てるわけでもないよね?
そういうミュージシャン昔からたくさんいるよ。
曲作りって家でもプライベートスタジオでもできませんか?
プロだって。
同じ世代に同じようにセールス出してるアーティストと比べて申し訳ないのだが米津さんも常田さんもバウくんも家で曲作ってるのよ。
ひきこもって。
他のアーティストもそうだよ。
LAに行って最終的にMIXなり集中してレコーディングすればいいのでは?
2023年のAsiaツアーの後どうしてたの?
MV撮影なんてみんなやってるし丸々1か月はかからないよ、ドラマや映画じゃないんだから。
仮うた仮MIXなんて家でもできるよね?
終いには「これをやる意味があるのかどうかさえわからなくなっている」
あちゃ~。
アーティストだよね?
誰かに作詞作曲してもらってたまに自分でも作って歌うみたいな歌手の人もいるけれど。
これは明らかに自分の意思で世界進出ではなくてやらされてるのだと直感した。
やらされてるって、アイドルじゃないんだから。
昭和のアイドルって当時の映像今見ても凄い人がたくさんいるけれど、結局やらされてたという人がたくさんいたわけでしょう?
正直、アイドルはそれでいいんじゃないかと思ってる。
だって「賞味期限」というか爆発的に売れる時期って限られていたじゃないですか?
彼ら彼女らだってわかっていたのだと思う。
もちろんその中でも今でも残り続けて活躍している人がいるけれど本当に少数です。
話がそれました。
「死ぬのがいいわ」が各国でヒットして聴かれてピアノやその他の歌唱力、英語のcover曲なんかも総合して「こいつはやれる!」ってユニバーサルから多大な期待かけられたからこうなったんだよね?
それってすごいことなんですよ。
芸能界、音楽業界での成功は運の割合が大きいというか時流に上手く乗れることが売れることの第一の条件だったりする。
アメリカを目指したい。
これを実行したくても実行できない人の方が圧倒的多数なんですよ。
実行したけれどコケたアーティストも何人もいるんです。
言い方悪くてすごく申し訳ないけれど。もちろん日本ではすごい売れてる人でね。
曲がヒットしたからそのお祝いもかねてLAやロンドンでレコーディングしたグループ。
知ってるところでは本人が話していたのとCD化したのを持っているからなんですが、
リアル世代じゃないけれど「赤い鳥」とか「チューリップ」とかね。
この2つのグループ(当時はバンドというよりグループと言っていた)は昔好きだったので書かせていただきますが。
「全曲英語の曲でアルバム」
これも前例がないじゃなく過去にやられた方がいました。
オフコースです。正確には小田和正さんといった方が早いかな?
だってアメリカ進出やりたかったのは小田さんですから。
全く同じ曲のアルバムを日本でも出していて英詞はアメリカ人に書いてもらったそうです。
「空と風と時と」の著書にも明確に書いてありますしリアルタイムで日本版も別名のアルバム名で全曲英語詞。
レコーディングも風くんと同じLAです。
だから「日本語で歌詞を書いて英訳して(だって彼は英語得意でしょ)
言い回しとかかしこ細かいニュアンス微調整とかアメリカ人に聞けばいい。
普通にアメリカ人と会話ができるくらいですからね。
これひらめいて番組を2回見終わった時にXでアドバイスしてみました。
彼はXアカウントわけあって消したみたいだけどXは見てますよ。
で、番組を1回目リアタイしたのですが冒頭に書いた「狂喜乱舞」とは裏腹に
(その前にバウ君と前の週に竹内まりあさんの同番組を見たので番組の構成とか期待値Maxでね)
申し訳ないがずっしり暗い気分になりましたよ。
私、その夜眠れなかったですもん。
彼って嘘がつけないタイプでしょ?
自分でも言ってたみたいだし私の家族の男衆がみなB型なのですぐわかる。
作曲にも作詞にも格闘してるというよりホントに降りてこないんだ。
わかる。 私も降りてこなくて困るもん。
それはインプットが足りないからだ。
なんですが音楽に固執してしまうから余計いけないときもあるんだよね。
映画を観て感動するとか。 本を読んで言葉のボキャブラリーを増やすとか。
景色を見て感動するとか。
こういう音楽以外の視野を広げて見て俯瞰的に音楽をとらえてみると幅が広がるし世界観が変わるんだよね。
■この番組でいったい何を伝えたかったのだろうか?
冒頭にも書きましたが「ライブに行ってみたい!」「CD欲しい」
こうやって既存のファン以外にも広げて夢を見させてもらうのが我々視聴者。
これでは「新アルバム制作に苦悩している姿」というよりファンをがっかりさせた以外の何物でもないと思う。
事実(全部は見ていないが)風チューバーさんはオブラートに包んで優しく話しているけれどまったく同じ感情が芽生えてしまったと思う。
もう一つ、曲作り以外にもやっぱりと思ってしまったのが
「高校時代のあの熱いpassionをもう一度思い出そう」・・・
あのぅこれアラフィフのアーティストが言うセリフじゃないですか?(笑)
「20代の時はアツかった。とがっていた。もう一度あの頃のエネルギーを取り戻して初心に帰って云々」とか。
私20代の頃高校時代の云々とかか思ったこと一度もないし、今とこれからを生きること、少なくともこれからの人生を過去より良くすることしか30代以降もこれしか考えたことないですよ。
振り返るとしたら20年前それ以前の出来事を思い出して反省することはたくさんあるけれど。
やはしファーストで神がかった音楽性と売上でいきなり億越えの金額を手にしちゃったからモチベーションが上がらないのだと思う。
人間、どん底を見ないとなかなか本気出せませんからね。
さあ、これからどうなることでしょう。